問い合わせが増えるWebサイトは、デザインや雰囲気ではなく 「ユーザーがどこから来て、どのページを見て、どこで止まっているか」 を GA4 と Search Console で確認し、改善仮説 → 施策 → 再計測 を繰り返して育てられています。GA4 は「数字を眺めるツール」ではなく 「改善点を見つけるツール」 です。本記事では、プロの担当者が GA4 で実際に確認しているチェックポイントを、業種別の見方・初心者の失敗例まで含めて解説します。
Webサイトを運用している企業様から、よくこのようなご相談をいただきます。
- 「ホームページはあるけれど、問い合わせが増えない」
- 「アクセス数は少しあるのに、なぜ成果につながらないのかわからない」
- 「GA4を入れているけど、どこを見ればいいかわからない」
- 「広告やSEOを始める前に、今のサイトの状態をどう判断すればいいかわからない」
Webサイトから問い合わせを増やすためには、ただデザインを整えるだけでは不十分です。
もちろん、見た目の印象やデザインの品質は大切です。しかし、問い合わせが増えるWebサイトに育てていくためには、ユーザーがどこから来て、どのページを見て、どこで迷い、どこで離脱しているのかを把握する必要があります。
そのために活用できるのが、GA4(Google Analytics 4)です。
GA4は、単にアクセス数を見るためのツールではありません。正しく使えば、次のことを確認できます。
- どの流入経路が成果につながっているのか
- どのページが問い合わせ前に見られているのか
- ユーザーはどこで止まっているのか
- スマホとPCで成果に差が出ていないか
- 問い合わせボタンやフォームは機能しているのか
つまりGA4は、Webサイトの現状を数字で把握し、問い合わせを増やすための改善仮説を立てるためのツールです。
この記事では、GA4の細かい操作方法ではなく、問い合わせが増えるWebサイトへ改善していくために、プロの担当者がGA4でどこを見て、何を判断しているのかをわかりやすく解説します。
GA4は「数字を見るツール」ではなく「改善点を見つけるツール」
GA4を導入している企業は増えています。しかし実際には、GA4を入れているだけで、ほとんど活用できていないケースも少なくありません。
よくあるのが、以下のような状態です。
- ユーザー数だけ見ている
- ページビュー数だけ見ている
- 直帰率だけ見ている
- アクセスが増えたか減ったかだけ見ている
もちろん、それらの数字も大切です。しかし、それだけでは問い合わせが増えるWebサイトにはなりません。
GA4を活用するうえで大切なのは、現状と理想のギャップを数字で把握し、次にどこを改善すべきかを考えることです。
たとえば、ユーザー数が1,000あるから良い、直帰率が高いから悪い、ページビュー数が多いから成功、という単純な話ではありません。重要なのは、
- このサイトにとって理想の状態は何か
- 今の数字は、その理想に対してどうなのか
- 問い合わせや購入につなげるには、どこを改善すべきなのか
を数字から読み取ることです。プロの担当者は、GA4を見て終わりにはしません。「なぜこのページで離脱しているのか」「なぜサービスページは見られているのに問い合わせがないのか」「なぜスマホからのCVRが低いのか」「なぜコラム記事からサービスページへ進んでいないのか」という改善仮説に変えていきます。
そもそもGA4とは何を見るツールなのか?
GA4は、Webサイトやアプリ上でユーザーがどのように行動しているかを確認するための分析ツールです。以前のGoogleアナリティクスと比べて、GA4では「イベント」を中心にユーザー行動を計測する考え方になっています。
イベントとは、ユーザーの行動を記録する単位です。たとえば、
- ページを見た/スクロールした/動画を再生した
- ボタンをクリックした/電話番号をタップした
- フォームに到達した/フォームを送信した
- LINEリンクをクリックした/資料をダウンロードした
といった行動をイベントとして記録できます。つまりGA4は、単に「何人来たか」を見るだけではなく、来た人がサイト内で何をしたのかを見るためのツールです。
問い合わせが増えるWebサイトに改善するには、この「何をしたのか」を見ることが非常に重要です。なぜなら、問い合わせは突然発生するものではないからです。多くの場合、ユーザーは次のような流れで行動します。
- 検索する → サイトに入る → サービス内容を見る
- 制作事例や実績を見る → 料金や対応範囲を確認する
- 会社情報を見る → 問い合わせページへ進む → フォームを送信する
GA4では、この流れのどこに課題があるのかを確認できます。
GA4で確認できること
GA4では、主に以下のような情報を確認できます。プロの担当者が実際にどこを見ているのか、順番に紹介します。
1. どんなユーザーが来ているのか
GA4では、ユーザーの地域、使用デバイス、ブラウザ、言語などを確認できます。設定や条件によっては、年齢・性別・興味関心といった属性データを確認できる場合もあります。
ただし注意したいのは、属性データはあくまで推定値だということです。実際の年齢や性別を100%正確に把握できるわけではありません。データ量が少ない場合やプライバシー保護の関係で、属性データが表示されないこともあります。
弊社でも、実際の閲覧ユーザーとGA4上の属性データを照合した際、一定の一致傾向が見られたケースはあります。参考指標としては十分に活用できますが、年齢や性別だけを見て「この層しか見ていない」と断定するのではなく、あくまで傾向を見るための材料として扱うのが適切です。プロは、実際の問い合わせ内容や商談内容とも照らし合わせながら判断します。
2. どこからサイトに来たのか(流入経路)
GA4では、ユーザーがどの経路からサイトに来たのかを確認できます。Google検索/Yahoo!検索/SNS/広告/外部サイト/クラウドソーシング/メール/QRコード/直接アクセス、などです。
ここは非常に重要です。同じ100人のアクセスでも、どこから来た100人なのかによって価値が変わるからです。なんとなくSNSで流れてきた100人と、具体的な悩みを持ってGoogle検索から来た100人では、問い合わせにつながる可能性が異なります。
プロは単にアクセス数を見るのではなく、「どの流入経路から来た人が、成果に近い行動をしているのか」を見ています。問い合わせを増やすためには、アクセスが多い流入元ではなく、問い合わせに近い行動をしている流入元を見つけることが大切です。
3. どのページを見たのか
GA4では、ユーザーがどのページを見たのかを確認できます。重要なのは、ページビュー数だけを見ることではありません。プロは、次のような観点で見ています。
- どのページが入口になっているのか
- 問い合わせ前にどのページを見ているのか
- どのページで離脱が多いのか
- 重要なページにユーザーが到達しているのか
たとえば、サービスページは見られているのに問い合わせがない場合は、サービス内容・料金・実績・CTAに課題があるかもしれません。コラム記事から流入しているのにサービスページへ移動していない場合は、内部リンクや問い合わせ導線が弱い可能性があります。ページ別の数字は「人気ランキング」として見るだけでは不十分で、そのページが問い合わせや購入にどう貢献しているのかを見ることが重要です。
4. どんな行動をしたのか(イベント)
GA4では、ユーザーがサイト上で起こした行動をイベントとして計測できます。問い合わせボタンクリック/電話タップ/LINEクリック/メールリンク/外部サイトへ移動/資料ダウンロード/フォーム到達・送信、などです。
特に重要なのは、問い合わせや購入に近い行動です。アクセスが増えていても問い合わせボタンが押されていないなら導線が弱い可能性があり、問い合わせページには到達しているのに送信されていないならフォームが入力しづらい可能性があります。電話ボタンは押されているのにフォーム送信が少ないなら、ユーザーはフォームよりも電話相談を好んでいるかもしれません。
5. 問い合わせや購入が何件あったのか(キーイベント)
GA4では、問い合わせ・購入・資料請求・予約完了など、事業上重要な行動をキーイベントとして設定できます。簡単に言うと「ビジネス上重要な成果として見るイベント」のことです。
この設定が非常に重要です。キーイベントを設定していないと、どのページや流入経路が成果につながったのか、どの施策が効果的だったのか、広告費をかけるべきかSEO記事を増やすべきかが判断しづらくなります。
GA4を見るうえで、最も大切なのはアクセス数ではありません。「何件問い合わせがあったのか」「どの経路から来た人が問い合わせたのか」「問い合わせまでにどのページを見たのか」を見ることが重要です。
GA4ではわからないこともある
一方で、GA4にもできないことがあります。これを理解していないと、GA4に過度な期待をしてしまいます。GA4だけでは、以下のようなことは基本的にわかりません。
- ユーザーが画面のどこを見ていたのか/視線の動き
- ページ内のどこで迷ったのか
- 最終的に購入を決めた心理的な理由
- 競合サイトでどのような行動をしていたのか
- 営業担当の対応が決め手になったかどうか
- 口コミや紹介がどれだけ心理的に影響したか
たとえば、GA4で「サービスページの滞在時間が長い」ことはわかります。しかし、それが「興味を持ってじっくり読んでいた」のか「内容がわかりにくくて迷っていた」のかまでは、GA4だけでは判断できません。
数字だけを見ると、滞在時間が長いページは良いページに見えることがあります。しかし、実際には情報が整理されておらず、ユーザーが迷っているだけという可能性もあります。逆に、滞在時間が短くても、ユーザーが必要な情報をすぐに見つけて問い合わせしているなら、ページとしては機能していると言えます。
つまり、GA4でわかるのはあくまで行動の結果であり、その背景にある心理や迷いまではGA4だけではわかりません。そのため、必要に応じて以下と組み合わせることが大切です。
- ヒートマップ/セッション録画
- ユーザーアンケート
- 問い合わせ内容の分析/商談時のヒアリング
- 営業担当からのフィードバック
問い合わせが増えるWebサイトを作るには、数字だけでなく、実際のユーザーの声や商談現場の感覚も重要です。
Search ConsoleとGA4の違い
GA4とセットで使いたいのが、Google Search Consoleです。この2つは似ているようで、役割が違います。
Search Console は、Google検索でサイトがどのように表示されているかを見るツールです。どんな検索キーワードで表示されたか/何回表示・クリックされたか/クリック率/平均掲載順位、を見ることができます。
GA4 は、ユーザーがサイトに来た後の行動を見るツールです。つまり、サイトに来る前はSearch Console。サイトに来た後はGA4。このように考えるとわかりやすいです。
たとえばSearch Consoleで「採用サイト 写真」「製造業 LP制作」「診断型LP」といったキーワードで表示されていることがわかったとします。その後、GA4で次のことを確認します。
- そのキーワードに関連するページに流入があるか
- ページを見た後にサービスページへ進んでいるか
- 制作事例を見ているか
- 問い合わせにつながっているか
Search Consoleで検索意図を見て、GA4で行動を確認する。この組み合わせが、SEO改善では非常に重要です。
ページビュー数とユーザー数の違い
GA4を見るうえで、最初に理解しておきたいのが、ページビュー数とユーザー数の違いです。
ページビュー数とは
ページビュー数は、ページが表示された回数です。同じ人が同じページを3回見た場合、ページビュー数は3になります。つまり、「何回見られたか」を表す数字です。
ユーザー数とは
ユーザー数は、サイトを訪問した人数に近い指標です。同じ人が同じページを3回見ても、基本的には1ユーザーとして扱われます。ただし、ユーザー数は実際の人数と完全に一致するわけではありません。複数の端末で見た場合、ブラウザが違う場合、Cookieが削除された場合などは、同じ人でも別ユーザーとして扱われることがあります。そのため、ユーザー数は「正確な人数」ではなく、傾向を見るための指標として扱うのが現実的です。
ページビュー数が多い = 良いページとは限らない
ページビュー数が多いページは、注目されている可能性があります。しかし、ページビュー数が多いからといって、必ず良いページとは限りません。
たとえば、サービスページのページビュー数が多くても、問い合わせが発生していない場合は、内容や導線に課題があるかもしれません。反対に、ページビュー数が少なくても、問い合わせ率が高いページは事業上かなり価値の高いページです。プロは、誰に見られているのか/どの流入経路から見られているのか/次にどのページへ進んでいるのか/問い合わせや購入につながっているのか、まで見ます。
GA4の直帰率は「1ページだけ見て帰った率」ではない
GA4でよく誤解される指標のひとつが直帰率です。以前のGoogleアナリティクスでは、直帰率は「1ページだけ見て離脱したセッションの割合」として理解されることが多くありました。
しかし、GA4では直帰率の考え方が変わっています。GA4における直帰率は、簡単に言うと「エンゲージメントが発生しなかったセッションの割合」です。エンゲージメントが発生したセッションとは、一定時間以上滞在した/複数ページを見た/キーイベントが発生した、といった条件を満たしたセッションです。
つまり、GA4の直帰率は単純に「トップページだけ見て帰った率」と考えるとズレます。ここを間違えると、数字の解釈も間違えます。
直帰率が高い = 悪い、ではない
直帰率は、高ければ必ず悪いというものではありません。たとえば、以下の2つのサイトがあったとします。
- Aサイト:直帰率90%、CVR10%
- Bサイト:直帰率30%、CVR0%
一見すると、直帰率が低いBサイトの方が良さそうに見えます。しかし、成果という観点で見ると、Aサイトはしっかり問い合わせや購入につながっています。もちろんAサイトにも改善余地はあるかもしれませんが、直帰率だけを見て「悪いサイト」と判断するのは早計です。
重要なのは、直帰率単体ではなく、問い合わせにつながっているか/ページの役割を果たしているか/ユーザーの目的に合っているか/次の行動に進めているか、を見ることです。
たとえば、コラム記事は読者が必要な情報を読んで満足し、そのまま離脱することがあります。この場合、直帰率が高くても必ずしも悪いとは限りません。一方で、広告用LPやサービスページで直帰率が高く、問い合わせも発生していない場合は、ファーストビューやCTA、訴求内容に課題がある可能性があります。直帰率は、ページの役割とCVRをセットで見る必要があります。
問い合わせを増やすために、まず決めるべきこと
GA4を扱ううえで一番大切なのは、数字を見る前に、理想の状態を決めることです。よくある間違いが「ユーザー数が少ないからダメ」「ページビューが多いから良い」「直帰率が高いから悪い」と、数字だけで判断してしまうことです。
しかし、GA4の数字に絶対的な正解はありません。重要なのは、サイトの目的に対して、その数字がどうなのかを見ることです。
- ECサイトであれば購入数
- 採用サイトであれば応募数
- BtoBサイトであれば資料請求や問い合わせ
- クリニックであれば予約や電話タップ
- 美容サロンであればLINE予約やメニュー閲覧
- Web制作会社であれば制作事例閲覧、サービスページ閲覧、問い合わせ完了
このように、サイトの目的によって見るべき数字は変わります。まず決めるべきなのは、「このサイトでは、何が起きれば成功なのか」です。
問い合わせを増やしたいのであれば、ただアクセス数を見るのではなく、問い合わせ完了/問い合わせページ到達/問い合わせボタンクリック/電話クリック/LINEクリック/資料請求/見積もり依頼/制作事例閲覧/サービスページ閲覧などを見ていく必要があります。
そのうえで、現状はどうなっているのか/理想に対して何が足りないのか/どこを改善すれば成果に近づくのかをGA4で確認していきます。
プロの担当者はGA4でどこを見ているのか?
実際の運用で、プロの担当者はGA4を見るときに、ただ数字を眺めているわけではありません。基本的には、以下の順番で見ています。
1. そもそも計測が正しくできているか
まず最初に見るのは、数字の良し悪しではありません。そもそもGA4が正しく設定されているかです。GA4タグが正しく入っているか/二重計測になっていないか/内部トラフィックが混ざりすぎていないか/問い合わせ完了・電話クリック・LINEクリック・外部リンククリックが計測できているか/キーイベントが設定されているか/Search Consoleと連携しているか/広告やSNSのURLにUTMが付いているか、を確認します。
計測が間違っていると、その後の分析もすべてズレます。プロはまず、「この数字は信じてよいのか」を確認します。ここを飛ばして分析すると、改善判断を間違える可能性があります。
2. どの流入経路が成果につながっているか
次に、流入経路を見ます。Google自然検索/Yahoo!自然検索/SNS/広告/外部サイト/クラウドソーシング/直接流入/メール/QRコード、などです。
ここで見るべきなのは、単純な流入数だけではありません。重要なのは「どの流入経路が成果につながっているか」です。SNSからのアクセスが多くても問い合わせが少ない場合、認知目的としては機能しているが獲得導線は弱いかもしれません。一方で、Google検索からのアクセスは少なくても問い合わせ率が高ければ、SEOを強化する価値があります。
3. どのページが入口になっているか(ランディングページ)
次に見るのが、ランディングページです。ユーザーが最初に着地したページのことです。トップページ/サービスページ/コラム記事/制作事例ページ/採用ページ/広告用LPのうち、どこから来ているかを見ます。
なぜなら、入口ページによってユーザーの意図が違うからです。コラム記事から来た人はまだ情報収集段階かもしれません。サービスページから来た人は比較検討段階かもしれません。制作事例ページから来た人は実績確認をしている可能性があります。広告用LPから来た人は、広告文で期待した内容がすぐに見えるかどうかが重要です。
4. 重要ページに進んでいるか
次に、ユーザーが重要なページに進んでいるかを見ます。Web制作会社であれば、サービスページ/制作事例ページ/料金ページ/会社情報ページ/問い合わせページなどが重要ページになります。
ユーザーの流れを見ることで、どこで止まっているのかがわかります。
- トップは見られているがサービスページに進んでいない → ファーストビューや導線に課題
- サービスページは見られているが制作事例に進んでいない → 実績確認への導線が弱い
- 制作事例は見られているが問い合わせページに進んでいない → CTAや相談のハードルに課題
- 問い合わせページまで来ているが送信されていない → フォームの入力しづらさや心理的ハードルが原因
5. デバイス別に差がないか(PC vs スマホ)
次に、PCとスマートフォンで差がないかを見ます。スマホ流入が多いにもかかわらず、スマホでのCVRが低いサイトは珍しくありません。原因としては、スマホでボタンが押しづらい/フォームが入力しづらい/ファーストビューが長すぎる/表示速度が遅い/電話やLINEなどスマホ向け導線が弱い/メニューがわかりづらい、などが考えられます。
特に、クリニック、美容サロン、地域店舗、採用サイトなどはスマホで見られることが多いため、スマホでのCVRは重要です。GA4でスマホ流入が多いのに成果が低い場合は、実際のスマホ画面を確認することが大切です。
6. 新規ユーザーとリピーターの違い
新規ユーザーとリピーターの行動の違いも重要です。リピーターが多いのに問い合わせが少ない場合、ユーザーは比較検討しているものの、決め手が足りていない可能性があります。料金がわかりにくい/実績が足りない/導入事例が弱い/FAQが不足している/他社との違いが伝わっていない/問い合わせ後の流れが見えない、などです。
逆に、新規ユーザーが多いのにすぐ離脱している場合は、ファーストビューやページタイトル、検索意図とのズレが原因かもしれません。
7. Search Consoleと照合する
GA4だけを見ていても、自然検索でどんなキーワードから来ているかは詳しく見えません。そこでSearch Consoleを使います。検索結果で表示されているキーワードに対応するページが、GA4上で実際にクリックされているか/クリック後すぐ離脱していないか/サービスページや制作事例へ遷移しているか/問い合わせにつながっているか、を見ます。
Search Consoleは「検索結果でどう見られているか」。GA4は「サイトに来た後にどう動いたか」。この2つを組み合わせることで、SEO改善の精度が上がります。
8. 数字から改善仮説を立てる
GA4で最も大切なのは、数字を見て終わらせないことです。数字を見たら、必ず改善仮説に変えます。次の章では、よくある数字のパターンとプロがどのように改善仮説を立てるのかを紹介します。
数字から改善仮説を立てる(よくあるパターン)
ここからは、現場でよく見るGA4の数字パターンと、プロがどのような改善仮説を立てるのかを紹介します。
トップページの閲覧は多いが、サービスページに進んでいない
考えられる課題:ファーストビューで何の会社か伝わっていない/サービスへの導線が弱い/メニュー構成がわかりにくい/CTAが目立たない/ユーザーが次に何をすればよいかわからない。
改善案:ファーストビューのコピーを見直す/サービスページへのボタンを増やす/制作事例への導線を追加する/CTAを目立つ位置に置く/メニュー名をわかりやすくする。トップページは「かっこいい印象」を与えるだけではなく、次の行動へ自然に進める設計が必要です。
サービスページは見られているが、問い合わせがない
考えられる課題:料金がわからない/実績が不足している/サービスの強みが伝わっていない/他社との違いがわからない/問い合わせするメリットが弱い/CTAの文言や位置が弱い。
改善案:料金目安を追加する/制作事例を追加する/お客様の声を掲載する/対応範囲を明確にする/よくある質問を追加する/「無料相談」「見積もり相談」など心理的ハードルの低いCTAを設置する。サービスページは、ただサービス内容を説明するだけでは不十分です。「自分の課題を解決してくれそう」「この会社なら安心して相談できそう」「一度問い合わせてみてもよさそう」と思える情報が必要です。
問い合わせページまで来ているが、送信されていない
考えられる課題:フォーム項目が多すぎる/スマホで入力しづらい/必須項目が多い/送信前の不安が解消されていない/エラー表示がわかりづらい/問い合わせ後の流れが書かれていない。
改善案:フォーム項目を減らす/スマホで入力しやすくする/必須項目を見直す/「通常1〜2営業日以内に返信」などの安心材料を入れる/個人情報の取り扱いをわかりやすく記載する/電話やLINEなど別の連絡手段を用意する。問い合わせページまで来ているということは、ユーザーの関心度はかなり高い可能性があります。その状態で送信されていない場合は、フォームの使いやすさや、問い合わせ前の不安解消を見直す価値があります。
自然検索からの流入はあるが、成果につながっていない
考えられる課題:検索意図とページ内容がズレている/記事からサービスページへの導線がない/CTAが文脈に合っていない/読者の検討段階に合うオファーがない/関連する制作事例へのリンクがない。
改善案:Search Consoleで検索クエリを確認する/記事の内容を検索意図に合わせて修正する/文中に関連サービスへのリンクを入れる/記事末尾に相談導線を追加する/関連する制作事例やFAQへ誘導する。SEO記事はアクセスを集めるだけでは不十分で、読者の悩みに答えたうえで、次にどのページを見ればよいのかを自然に案内する必要があります。
広告からの流入はあるがCVしない
考えられる課題:広告文とLPのメッセージが一致していない/LPのファーストビューが弱い/料金や実績が見えない/CTAがわかりにくい/表示速度が遅い/スマホで見づらい/そもそもCV計測が正しく設定されていない。
改善案:広告文とLPの見出しを揃える/ファーストビューにベネフィットを明確に出す/料金や実績を見やすくする/CTAをファーストビューに設置する/スマホ表示を改善する/CV計測を再確認する。広告費をかける前に、受け皿となるLPやサービスページが整っているかを確認することは非常に重要です。広告で集めたアクセスを、ページ側で取りこぼしてしまうと、広告費だけが消化されてしまいます。
スマホ流入は多いが、問い合わせが少ない
考えられる課題:スマホでCTAが見つけにくい/ボタンが押しづらい/フォーム入力が面倒/表示速度が遅い/電話やLINEの導線が弱い/ファーストビューで情報が伝わっていない。
改善案:スマホ用にCTAを固定表示する/電話ボタンやLINEボタンを目立たせる/フォーム項目を減らす/画像を軽量化する/ファーストビューの情報を整理する/スマホで実際に操作して確認する。特に、店舗・クリニック・美容サロン・採用サイトなどは、スマホで問い合わせしやすい設計が重要です。
UTMを使うと、施策ごとの成果が見えやすくなる
GA4を実務で使うなら、UTMの活用も重要です。UTMとは、URLに付ける計測用のパラメータです。
たとえば、メール署名、SNS投稿、営業資料、クラウドソーシングの提案文、QRコードなどに貼るURLへUTMを付けておくと、「どこから来た人なのか」をGA4上でよりわかりやすく確認できます。
たとえば、次のような分析が可能になります。
- クラウドソーシング提案文から来た人 → 制作事例をよく見ている
- Instagramプロフィールから来た人 → 撮影ページを見ている
- 営業資料のQRコードから来た人 → 問い合わせ率が高い
- メール署名から来た人 → 会社概要ページを確認している
- 特定のキャンペーンから来た人 → どこで離脱しているか
これは実務上かなり重要です。複数の接点からサイトへ誘導している場合、UTMを付けておかないと、どの施策が実際にサイト閲覧や問い合わせに貢献しているのかが見えづらくなります。
ただし、UTMは命名ルールを決めて使うことが大切です。表記ゆれがあると、データが分散して見づらくなります。たとえば、instagram / Instagram / insta / ig のようにバラバラに付けてしまうと、同じInstagram経由の流入でも別々に集計されてしまいます。
UTMは付ければよいというものではありません。きちんとルールを決めて運用することが重要です。
業種別に見るべきGA4のポイント
GA4で見るべきポイントは、業種やサイトの目的によって変わります。代表的なケースを業種別に整理します。
Web制作会社・LP制作会社
制作事例ページの閲覧/サービスページの閲覧/料金ページの閲覧/問い合わせページ到達/フォーム送信/外部サービスへのリンククリック。制作事例ページがCVに近い行動になっているケースが多いです。経験上、Web制作や撮影、クリエイティブ制作の相談では、ユーザーは問い合わせ前に実績や事例をかなり確認します。制作事例ページをただのポートフォリオとして置くだけでなく、各事例から関連サービスページや問い合わせページへ自然に進める導線が重要です。
士業サイト
専門サービスページの閲覧/料金ページの閲覧/プロフィールページの閲覧/FAQ閲覧/電話クリック/問い合わせフォーム送信。士業の場合、ユーザーは「この人に相談して大丈夫か」をかなり慎重に見ます。プロフィール、実績、料金目安、相談後の流れ、FAQが重要になります。
クリニック・美容サロン
メニュー・料金ページの閲覧/予約ボタンクリック/電話タップ/LINE予約クリック/アクセスページ閲覧/スマホでのCVR。特にスマホでの予約導線は重要です。スマホで見ているのに電話ボタンや予約ボタンが見つけにくい場合、機会損失が起きやすくなります。
採用サイト
募集要項ページの閲覧/社員紹介ページの閲覧/会社制度ページの閲覧/エントリーボタンクリック/応募完了/スマホでの応募率。採用サイトの場合、応募前に社員紹介や働き方、会社の雰囲気を確認するユーザーが多いです。募集要項だけでなく、会社の雰囲気や社員の声に触れた後に応募へ進める導線が重要です。
BtoBサービス
サービスページ閲覧/導入事例ページ閲覧/料金ページ閲覧/資料請求/デモ申し込み/問い合わせ完了。BtoBの場合、1回の訪問で即問い合わせになるとは限りません。複数回訪問し、事例や料金、比較情報を確認したうえで問い合わせるケースも多いため、新規ユーザーとリピーターの違いも見ておくと有益です。
問い合わせが増えるWebサイトに必要な考え方
問い合わせが増えるWebサイトは、最初から完成しているわけではありません。公開後に数字を見て、改善を重ねることで少しずつ成長していきます。重要なのは、次のことを確認し続けることです。
- 誰が来ているのか/どこから来ているのか
- どのページを見ているのか/どこで止まっているのか
- 問い合わせに近い行動は発生しているのか
- どのページが成果に貢献しているのか
- スマホで使いやすいか/検索意図とページ内容が合っているか
そして、数字を見て終わるのではなく、具体的な改善アクションに落とし込むことが大切です。
- ファーストビューを変えるべきか
- CTAを増やすべきか
- 制作事例への導線を増やすべきか
- フォームを短くするべきか
- 料金目安を出すべきか
- 検索意図に合わせて記事を修正するべきか
GA4は、問い合わせを増やしてくれる魔法のツールではありません。しかし、現状を正しく把握し、改善の優先順位を決めるためには非常に有効なツールです。
初心者がGA4で失敗しやすいポイント
GA4初心者がよくやってしまう失敗をまとめました。当てはまるものがないか確認してみてください。
- アクセス数だけを見る
- ユーザー数が多いだけで良いと判断する
- ページビュー数だけでページの価値を判断する
- 直帰率だけで良し悪しを判断する
- キーイベントを設定していない
- 問い合わせ完了を計測していない
- 電話やLINEクリックを計測していない
- GA4タグが二重計測になっている
- 社内アクセスを除外していない
- UTMを使っていない
- Search Consoleと連携していない
- スマホとPCを分けて見ていない
- ページ単体で見て、ユーザーの流れを見ていない
- データ量が少ないのに断定してしまう
- 数字を見て満足して改善しない
特に多いのは、GA4を入れているだけで、問い合わせや電話クリックが計測されていないケースです。これでは、アクセス数は見えても、成果につながっているかどうかが判断できません。
GA4は入れるだけでは不十分です。「何を成果として見るのか」「どの行動をキーイベントとして計測するのか」「どの数字を見て改善判断するのか」まで設計して、初めて活用できます。
GA4と他のツールを組み合わせる
GA4は非常に便利なツールですが、GA4だけですべてがわかるわけではありません。そのため、目的に応じて他のツールと組み合わせることが重要です。
- Search Console → 検索キーワード、表示回数、クリック数、順位を見る
- Google タグマネージャー(GTM) → 電話クリック、LINEクリック、フォーム送信などを計測する
- Looker Studio → GA4やSearch Consoleのデータを見やすいレポートにする
- Google 広告 → 広告流入とCVの関係を見る
- ヒートマップツール → ページ内でどこが見られているか、どこで離脱しているかを補助的に確認する
- 問い合わせ管理/商談メモ → 実際の問い合わせ内容や成約理由と照らし合わせる
このように、GA4はあくまで行動データを見る中心ツールです。そこに検索データ、広告データ、画面上の行動、実際の問い合わせ内容を組み合わせることで、改善の精度が高まります。
まとめ:問い合わせが増えるWebサイトの育て方
問い合わせが増えるWebサイトは、感覚だけで改善されているわけではありません。プロの担当者は、GA4やSearch Consoleなどのデータを見ながら、次の観点を確認しています。
- どこからユーザーが来ているのか
- どのページが入口になっているのか
- どのページで止まっているのか
- 問い合わせ前にどのページを見ているのか
- スマホとPCで成果に差がないか
- 問い合わせボタンやフォームは機能しているのか
- 自然検索のキーワードとページ内容が合っているのか
ただし、GA4を入れているだけでは問い合わせは増えません。大切なのは、数字を見て「今どこに課題があるのか/理想に対して何が足りないのか/次にどこを改善すべきなのか」を考えることです。
GA4では、ユーザー数、ページビュー数、流入経路、閲覧ページ、イベント、キーイベントなどを確認できます。一方で、ユーザーの視線、心情、購入の最終的な決め手まではGA4だけではわかりません。GA4の数字はあくまで行動データとして見て、そこから改善仮説を立てることが重要です。
問い合わせが増えるWebサイトに育てるためには、「計測する → 数字を見る → 仮説を立てる → 改善する → また数字を見る」という流れを継続する必要があります。
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