売れるための準備と、公開後に育てる余力を一緒に考える。まずは主力商品と買う場面を絞り、写真・説明・購入導線・運営を整えましょう。
登場するふたり

くるるって?
気になるものを見つけると、ついつい寄り道しちゃう好奇心いっぱいのくるる。「これ、なんで?」が口ぐせです。ひらめくとすぐに試したくなるけれど、途中で「あれれ?」と手が止まることも。そんなときは、まなボットのところへ。うまくできた日は、誰かに見てもらいたくてそわそわしています。

まなボットって?
くるると一緒に「なんでだろう?」を考える、小さなロボット。調べものが好きで、分からないことに出会うと、ちょっとうれしくなります。説明に夢中になって、つい話が長くなることも。くるるの「つまり、こういうこと?」に、新しい発見をもらっています。「なるほど!」と言ってもらえると、その日はずっとごきげんです。
会話内の企業・商品・場面は説明のための架空の例です。実際の改善実績を示すものではありません。
「実店舗では売れている。この商品を、もっと多くの人に届けたい」
「卸やモールだけでなく、自社でも直接販売できるようにしたい」
「今のネットショップを見直して、売上を伸ばしたい」
そんなとき、候補に挙がるのがShopifyです。
ただ、いざ構築を考えると、分からないことが出てきます。
何にいくらかければいいのか。どんな機能が必要なのか。制作会社に、どこまで頼めばいいのか。
そして、一番気になるのはこのことではないでしょうか。
「お金をかけて作って、本当に売れるようになるの?」
今回は、読者の疑問を代弁するくるると、Web活用に詳しいまなボットが、Shopifyを使ったECの始め方を考えます。
難しい設定方法よりも先に知っておきたい、限られた予算を、売上につながる準備と改善に使うための話です。
第1話|Shopifyで作れば、うちの商品も売れるようになる?
くるる「ねえ、まなボット。うちの商品、店頭では評判がいいんだ。Shopifyでネットショップを作れば、もっと売れるかな?」
まなボット「販売の機会を広げることは考えられるね。ただ、Shopifyでお店を作ることと、お客さまに買ってもらうことは、分けて考えたいんだ」
くるる「お店を作っただけでは、注文は入らないってこと?」
まなボット「実店舗でも、開店しただけでお客さまが集まるとは限らないよね。存在を知ってもらって、商品に興味を持ってもらって、納得して買ってもらう。その流れが必要になる」
くるる「確かに。お店なら、スタッフが使い方を説明したり、相談に乗ったりしているね」
まなボット「ネットでは、その説明を写真や文章、動画などが担うんだ。だから、構築するときには、見た目に加えて三つ考えよう」
- どうやって、お客さまに来てもらうか
- 何を見せれば、買う理由が伝わるか
- 購入後も、安心して使ってもらえるか

くるる「サイトのデザインを決める前に、考えておくことがあるんだね」
まなボット「そう。お店を完成させることを、その先の売上につなげるためにね。」
第2話|そもそもShopifyって、何をしてくれるの?
くるる「そもそも、Shopifyが何なのかも、ちゃんと説明できないかも」
まなボット「ネットショップを作り、商品や注文、在庫などを管理するための仕組みだよ。販売するページと、日々の運営を支える機能が用意されているんだ」[1]
くるる「お客さまが見るお店と、スタッフが使う管理室がセットになっている感じ?」

まなボット「そう考えると分かりやすいね。さらに、必要に応じてアプリなどで機能を追加する方法もある。例えば、在庫管理を自社の運用に合わせて拡張することもできるよ」[2]
くるる「それなら、便利そうな機能をたくさん入れておけば安心だね!」
まなボット「その前に、何を解決する機能なのかを考えよう。機能が増えると、設定や確認の手間、利用料金が増える場合もあるからね」

くるる「便利な道具でも、使わなかったら持て余すのか」
まなボット「うん。商品や売り方、スタッフの人数によって、必要なものは変わる。Shopifyが自社に合うかも、実際にやりたいことから判断したいね」
第3話|最初に決めるのは、デザインより「誰の、どんな買い物か」
くるる「じゃあ、最初は何を決めればいい?」
まなボット「まずは、誰が、どんな場面で買う商品なのかを考えてみよう。例えば、焼き菓子のネットショップを作るとするね」
くるる「お菓子が好きな人向け?」
まなボット「もう少し、買う場面まで具体的にしてみよう」
| 買う場面 | お客さまが知りたいこと |
|---|---|
| 自分へのご褒美に買う | 味、食感、量、保存方法 |
| 離れて暮らす家族に贈る | 相手が喜びそうか、賞味期限、届け方 |
| 取引先への手土産にする | 包装、価格、到着日、持ち運びやすさ |

くるる「同じ商品でも、気になることが違うね」
まなボット「そう。手土産を探す人なら、味だけでなく『必要な日に間に合うか』も大切。自宅用なら、食べ切れる量や保存方法が気になるかもしれない」
くるる「商品を全部並べればいいと思っていたけど、それだけだと選びにくいんだ」
まなボット「誰の買い物を助けるのかが決まると、必要な写真も説明も、ページの順番も決めやすくなる。」
まなボット「迷ったら、今のお客さまを思い出してみよう。誰が、何をきっかけに買ってくれているか。その話が、最初の手がかりになるよ」

第4話|店頭で伝わっている魅力、ネットでも伝わっていますか?
くるる「商品には自信があるんだよね。写真をきれいに撮れば、良さは伝わるかな?」
まなボット「写真は大切だよ。ただ、きれいに見えることに加えて、買うために必要な情報が伝わるかも確認しよう」
まなボット「例えば、バッグを買おうとしている人なら、何が気になる?」
くるる「大きさかな。パソコンが入るかとか、持ったときにどんな感じになるか」
まなボット「それなら、バッグ単体の写真に加えて、持っている写真や、中に物を入れた写真が役立つね」
| 写真・情報 | 買う人の判断を助けること |
|---|---|
| 商品全体の写真 | 形や色を確認する |
| 使用中の写真 | 大きさや使う場面を想像する |
| 素材・細部の写真 | 質感や仕上げを見る |
| 寸法・重さ・仕様 | 自分の用途に合うか確かめる |
| 手入れ方法・注意点 | 購入後に困らず使えるか考える |

くるる「店頭なら、手に取ったり質問したりして確認できることだね」
まなボット「そう。ネットでは実物を触れないから、その分の説明が必要になる」
まなボット「『高品質な素材を使用』とだけ書くより、どんな素材で、どんな使い心地なのかを説明した方が、買う理由を考えやすいよ」
くるる「写真と文章で、接客するイメージなんだね」
まなボット「そのとおり。スタッフが普段説明していることや、よく聞かれる質問には、商品ページに載せたい情報が詰まっているんだ。」

第5話|「小さく始める」は、適当に作ることではない
くるる「でも、写真も文章も機能も必要だと、結局かなり大がかりにならない?」
まなボット「だから、最初に取り組む範囲を絞るんだ。例えば、主力商品や、すでに評判のよい商品から始める方法がある」
くるる「全部の商品を、最初から載せなくてもいい?」
まなボット「商品の組み合わせや選択肢が重要な場合もあるけれど、必ず全商品から始める必要はないよ。まず、最初のお客さまに買ってもらうために必要な範囲を決めよう」
くるる「どこを絞って、どこを残せばいいんだろう?」
まなボット「例えば、こんな分け方ができる」
| 公開前に整えたいこと | 必要性を確かめながら追加すること |
|---|---|
| 商品を判断できる写真・説明 | 全商品の特集記事 |
| 価格・送料・配送条件 | 複雑な会員ランク制度 |
| スマホで迷わず購入できる流れ | 独自の高度なカスタマイズ |
| 決済・注文通知・発送の確認 | 多数の外部サービスとの連携 |
| 返品などの案内・必要な表示 | 将来の構想だけを理由にした機能 |

まなボット「もちろん、定期購入が主力の事業なら、その仕組みは最初から必要。優先順位は、売り方によって変わるよ」
くるる「必要なところはきちんと作って、まだ使うか分からないものを減らすんだね」
まなボット「そう。小さく始めるとは、買い物に必要な品質を守りながら、投資する範囲を絞ることなんだ。」

第6話|制作費を使い切ったら、開店後に何ができる?
くるる「予算が決まっていたら、その範囲で一番立派なサイトを作りたくなるな」
まなボット「公開後に、何へお金を使うかも考えておきたいね」
くるる「広告費とか?」
まなボット「そう。ほかにも、商品の写真を追加したり、説明を直したり、運営に必要なサービスを使ったりする費用がある」
まなボット「予算は、少なくとも次の四つに分けて考えてみよう」
| 予算の使い道 | 主な内容 |
|---|---|
| お店を作る | サイト構築、デザイン、初期設定 |
| 商品の魅力を伝える | 写真、動画、商品説明、特集 |
| お客さまに来てもらう | 広告、SNS用のコンテンツなど |
| 運営・改善を続ける | 利用料、更新、分析、修正 |

くるる「同じ予算でも、どこに使うかで、公開後にできることが変わるね」
まなボット「例えば、SNSなどですでに商品を知っている人が多いなら、購入しやすいページづくりが優先かもしれない」
まなボット「逆に、商品ページは整っていても、まだ誰にも知られていないなら、見つけてもらうための取り組みが必要になる」
くるる「全社共通の正解の配分があるわけじゃないんだ」
まなボット「うん。今、売上につながるまでのどこが足りないか。その不足に予算を使うことが大切だよ。」

第7話|サイトを公開したら、誰が見に来てくれる?
くるる「そういえば、公開した後のお客さまの集め方は、まだ決めていなかった」
まなボット「サイト制作と一緒に考えておこう。最初のお客さまは、どこで自社を知ってくれそう?」
くるる「実店舗のお客さまや、SNSを見ている人かな。広告も気になる」
まなボット「それなら、入口ごとに次の行動を考えられるね」
- 実店舗で購入した人に、買い足せるネットショップを案内する
- SNSで使い方を紹介し、その商品のページにつなげる
- 広告では届ける相手と悩みを絞り、関連する商品や特集へ案内する

くるる「全部、トップページに案内すればいいわけではないんだね」
まなボット「例えば、『出産祝いに贈るギフト』の紹介を見て来た人なら、ギフトの商品や包装、届け方がすぐ分かると助かるよね」
くるる「そこで全商品の一覧が出たら、また探し直さないといけない」
まなボット「そう。興味を持った内容の続きを、サイトで見せてあげよう。」
まなボット「最初からすべての集客方法に取り組む必要はないよ。まずは、お客さまとの接点がある場所から、買い物までの流れを一つ整えるんだ」
第8話|注文が増えたら、今の人数で対応できる?
くるる「注文が入るようになったらうれしいな。そこまでいけば、一安心だね」
まなボット「注文後の仕事も、公開前に確認しておこう」
くるる「梱包して発送すること?」
まなボット「それもあるね。例えば、こんな場面を考えてみて」
まなボット「実店舗で最後の一つが売れた直後に、ネットでも注文が入ったら?」

くるる「在庫がない……。お客さまに連絡しないといけないね」
まなボット「ギフト包装の注文が入ったときは、誰が確認する? 発送が遅れるときは、誰が案内する?」
くるる「確かに、担当を決めていないと、その都度バタバタしそう」
まなボット「だから、構築前に日々の仕事を整理するんだ」
| 決めておきたいこと | 確認する内容 |
|---|---|
| 商品・在庫の管理 | 誰が更新するか、店頭在庫とどう扱うか |
| 注文の確認 | いつ確認し、誰に引き継ぐか |
| 梱包・発送 | 発送日、配送方法、ギフト対応 |
| 問い合わせ | 担当者、不在時の対応 |
| 返品・交換 | 案内内容と社内の対応手順 |

まなボット「Shopifyには在庫管理の機能があるけれど、自社の倉庫や実店舗、ほかの販売先との関係に合わせた設定・連携は確認が必要だよ」[3]
くるる「サイトの見た目だけ決めても、お店は回らないんだね」
まなボット「うん。注文を受けられることと、約束どおり届けられること。その両方を準備しよう。」
第9話|売れなかったとき、何を直せばいい?
くるる「準備して公開しても、思ったように売れなかったら不安だな」
まなボット「そのときに、どこを直すか考えられる状態を作っておこう。売上だけを見ると、原因が分かりにくいからね」
くるる「ほかに何を見るの?」
まなボット「お客さまの買い物を、順番に分けて見るんだ。Shopifyにも、訪問や販売、購入につながる状況を確認するためのレポート・分析機能があるよ。確認できるレポートの種類はプランによって異なるので、必要な情報が見られるかも確認しておこう」[4]
| 起きていること | 確認したいこと |
|---|---|
| そもそも訪問が少ない | お店を知ってもらう接点があるか |
| 商品を見ても、カートに入らない | 商品の魅力、価格、用途、条件が伝わっているか |
| カートには入るが、購入されない | 送料、配送条件、決済、操作で迷いがないか |
| 一度買われても、次につながらない | 満足度、買い足す時期、購入後の案内はどうか |

くるる「売れないから広告を増やす、と決めるのは早いんだね」
まなボット「うん。商品ページで迷う人が多いなら、訪問者を増やす前に、説明を整える方がよい場合もある」
まなボット「ただし、数字だけで『なぜ買わなかったか』を断定はできない。問い合わせの内容や、実際にスマホで操作してみた結果も合わせて考えよう」
くるる「例えば、送料が分かりにくいのでは、と思ったら?」
まなボット「商品ページで送料や配送条件を確認しやすくして、その後の反応を見る。いろいろな部分を一度に変えるより、何を確かめたいかを決めると判断しやすいね」

くるる「小さく始めるのは、公開後に直しながら育てるためでもあるんだ」
まなボット「そう。見直すときは、売上と一緒に、広告費や送料、手数料、対応の手間を踏まえて、利益が残っているかも確認しよう」
第10話|一度買ってくれた人に、また選んでもらうには?
くるる「新しいお客さまを集め続けるのも大変そうだね」
まなボット「だから、買ってくれた人との関係も大切にしたい。まずは商品をきちんと届け、期待に応えること。そのうえで、購入後に役立つ情報を考えよう」
くるる「割引クーポンを送るとか?」
まなボット「それも方法の一つだけれど、商品の使い方やお手入れ方法を伝えることもできるよ」
まなボット「例えば、コーヒーならおいしく淹れるための説明。革製品ならお手入れ方法。食品なら保存方法やアレンジの紹介だね」

くるる「買った後にちゃんと使えると、その商品を好きになってもらえそう」
まなボット「そう。買い足しが必要な商品なら、その時期に合った案内も考えられる。配信は、お客さまの同意や希望に沿って行おう」
くるる「何度も買う商品じゃない場合は?」
まなボット「長く使うための情報や、修理などの相談先を案内することが役立つね。無理に再購入を促す必要はないよ」
くるる「商品によって、買ってもらった後にすべきことも違うんだね」
まなボット「自社ECを育てるときは、注文を獲得するところから、購入後の体験まで考えてみよう。」
第11話|制作会社には、何を相談すればいい?
くるる「方向性は分かってきた。でも、どこまで自社でできて、どこを頼むべきかは、まだ迷うな」
まなボット「まずは、制作会社にサイトの完成イメージだけでなく、今の販売状況を伝えるといいよ」
くるる「具体的には?」
まなボット「このあたりが分かると、話を始めやすい」
- 今、何を、誰に、どこで販売しているか
- よく売れる商品と、選ばれている理由
- 今の販売や運営で困っていること
- ECで目指したい状態
- 使える予算と、社内で対応できる人数
くるる「必要な機能を、自分で全部調べてから頼まなくてもいいんだ」
まなボット「もちろん。むしろ、機能を先に決めすぎると、もっと簡単な方法を見落とすこともある」
まなボット「見積もりを見るときも、総額だけでなく、次のことを確認してみよう」
| 確認したいこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| 最初に作る範囲 | 今回必要なものと、後から追加できるものは何ですか? |
| 写真・文章の準備 | 商品写真や説明文は、誰がどこまで用意しますか? |
| 運営の引き継ぎ | 公開後、社内で何を更新できるようになりますか? |
| 継続してかかる費用 | 利用料や保守など、公開後に必要な費用は何ですか? |
| 集客・改善の進め方 | 公開後の反応は、どう確認し、見直していきますか? |

くるる「これなら、安いか高いかだけで判断せずに済むね」
まなボット「自社にとって必要な準備が含まれているか。公開後の運営を想像できるか。
その二つを確認すると、依頼先を考えやすくなるよ」
最終話|まずは、自社の「最初の一歩」を決めよう
くるる「最初は、Shopifyでおしゃれなサイトを作ればいいと思っていた。でも、商品の見せ方も、集客も、日々の運営もつながっているんだね」
まなボット「そう。だから、作り始める前に、まずはこの三つを書き出してみよう」
- 誰に、どの商品を買ってほしいか
- その人に買ってもらうために、どんな情報が必要か
- 公開後、誰が運営して、どうお客さまを集めるか

くるる「機能を調べるより先に、自分たちの売り方を整理するんだね」
まなボット「うん。そのうえで、最初に必要なものと、反応を見てから追加するものを分ける。公開後に集客や改善を続けられるよう、予算も残しておこう」
くるる「例えば、最初は主力商品をしっかり紹介して、買ってもらえるかを確かめる。そこで分かったことを、次の商品やページに活かす感じ?」
まなボット「そうだね。商品が見られていないなら、届け方を考える。見られているのに買われないなら、説明や購入までの流れを確認する。実際の反応を見ながら、一つずつ改善していくんだ」
くるる「完成したら終わりじゃなくて、公開してからも育てていくんだね」
まなボット「そのとおり。小さく始めるとは、必要なところに予算を集中して、次の改善につながる経験を積むこと。Shopifyで何ができるかを、自社の商品や運営に照らし合わせながら考えていこう」
ShopifyでECを始めるとき、大切なのは、最初からすべての機能をそろえることではありません。
商品の魅力が伝わり、安心して購入でき、社内でも無理なく運営できる。その土台を整えたうえで、お客さまの反応に合わせて改善を続けることです。
まずは主力商品を一つ選び、「店頭で説明していることが、ネットでも伝わるだろうか?」と確認してみてください。写真や説明、配送の案内など、最初に整えるべきことが見えてくるはずです。
なお、自社に必要な構成や予算配分に迷う場合は、MADE IN CREWでもご相談を承っています。Shopifyの構築や商品写真、サイトの情報整理など、必要に応じてお声がけください。
出典と補足
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